こんにちは。ブログの管理人、モリ介(仮)です。
塩ベニコの続きの前に、まずは北海道産のこの写真から。
北海道は斜里産の生筋子です。ご存じのとおり、この生筋子をほぐすと
イクラになり、塩で味をつければ塩イクラ、醤油だと醤油イクラになります。
まだ親の魚(秋サケ)が若いせいか少し粒も小さめです。ですが、
サケの身の方は、適度な脂ののりでホクホクなはずです。
筋子の粒が大きくなってくると、サケの身も脂が抜けた感じになってきます。
サケの見た目でも、そのことははっきり判るようになりますので、
その頃にまたご紹介します。担当者によれば、序盤は良かったものの、
北海道産の漁獲のペースがかなり落ちてきているみたい。心配です。
そして、この流れで塩ベニコの話の続き。
水揚げされた紅サケは、工場に送られ、卵を取り出されます。紅サケの生筋子ですね。
これを洗浄→血抜き→塩水漬け+塩をまぶす→水分抜き→箱(ペール)詰め、
という工程を経て、冷凍で流通をします。上の写真でも分るように、
箱の内部はどうなっているんだろう、と思うくらい、きれいに詰められています。
実は、工場には”テクニシャン”という技術指導の方(日本人)が居て、
この短期間、現地に滞在し工程を監督しているそうです。報酬も結構な額らしい。
サケの卵の需要が日本向けの塩筋子しかない時代は、それでも良かったんだけど、
イクラの需要が世界に広がってくると、話が違ってきます。面倒くさい工程や
コストを考えると、「そのまま冷凍して、あとからイクラを作れば良くね?」
という発想が出てくるわけです。担当者によると、ベニサケ卵の7割が
冷凍処理なんだとか。というわけで、塩ベニコを作る現地の工場も
どんどん撤退に追い込まれているらしい。冷凍卵から塩ベニコを作ろうと思っても、
醤油漬けは作れても、塩漬けはどうにも「美味しくない」とのこと。
前述の担当者曰く、「食文化どころか、ただの珍味扱いになってしまいそう。」
毎日の食卓に、というのは値段の点から少々無理だけど、たまに、だったら
何とかなりそう。塩筋子が好きな方には、このような事情を充分にご理解いただき、
お店の売場で見かけたら、出来るだけ、お買い上げいただければありがたいです。
やっぱり、食べられなくなるのはいやだな~。モリ介(仮)も帰りに買っていこうかな。
というわけで、今日はこのへんで。モリ介(仮)でした!