こんにちは。モリ介です。とりあえず週末、と言っておきますか。土曜日の今日もお送りしていきます。だって明日も営業日だよ。
いや、寒い、寒い。やっぱりマイナス5℃は寒い。来月はもう一段寒くなるだろうけど、今はただ寒い。道路もヤバいですよ。昨日の午後、雨からみぞれ、そして雪になって、今朝は圧雪では全然ないけど、間違いなく路面は凍ってる。黒くても凍ってる。左右に車がいない橋の上でちょっと強めにブレーキ。つるん、とした感覚ではないけど、ザザーッとタイヤが滑る。ま、想定の範囲ですな。控えめのスピードと早めのブレーキで、安全に止まれますね。オーバースピードで急ブレーキだと、欄干衝突、となっちゃうかも。タクシーもノロノロ運転でしたから、危ない路面なのは確実。暖かい地方から来られた方は、本当に気を付けないと、車に乗って帰れませんよ。
いよいよ押し詰まってきましたね。今年も今日をいれてあと5日。市場の年末営業もピークを迎えつつあります。ただ、いつもの事だけど、クリスマス明けから止市までで、どこか一日、エアポケットみたいなちょっとばかりヒマな日があるんですよね。モリ介は今、営業の場面にはほとんど絡んでいないので、今年がどうなんだかは、さっぱりわからないんですが。で、後からこの日は休みでも良かったんじゃないか、みたいな話が出るんですが、実際は休めないですよね。エアポケットとはいえ、平時の売り上げよりは数段多いんですから。とにかく半端じゃない物量を扱う卸売市場ですが、小売りを経験したモリ介から言うと、卸売りの厳しさは、その物量を完全にはコントロールできない、という事。日にちとか時間をずらすことはできますが、お客さんから注文が入れば、物量が青天井に膨れ上がる可能性もあるわけ。もちろんその逆もあって、受注を失敗して全然仕事が無い、なんてこともあり得ますがね。とにかく底なしに仕事が入る恐怖と、その日の仕事がピタッと終わる感覚というのは、小売り時代にはあまり感じなかったかと。
小売りはそもそも限られた時間の中で、あらゆる作業をこなさないといけない。開店時間は絶対だし、お客さんは絶対にやってくるわけで。クリンネスやレイアウト変更や商品の改廃、インストアプロモーションやデコレーション等、とめどなく仕事があって、毎日の仕事は、今日はこの辺でやめておくか、という感じでしたね。店員時代のモリ介は、12月30日の夜はほぼ帰れませんでしたよ。31日は早朝開店で、当時は朝6時が普通。目玉商品にお客さんが列を作るのは確実ですしね。一般食品部門に在籍中のモリ介は、前の晩の夕食を食べた後は、目玉商品や特売品の準備。31日で売り切らなければならない商品の在庫チェックと、入荷数量の確認。品出しを終わればもう夜中近く。生鮮部門を見ると、青果や精肉はだいたい仕事が終わってるけど、鮮魚はそうはいかない。31日渡しの刺身の盛り合わせには3ケタの注文が入っていて、ほぼ徹夜確定。一度他部門の応援を受けて、刺身盛り合わせのツマ載せを頼んだことがあったらしいけど、結局見た目が良くなくて全部やり直した、とか、とにかく大変。数年に一度は、包丁で手を切って病院に駆け込む人も出たりしますよ。意識がもうろうとしてたんでしょうな。モリ介は最初青果で採用されて、その後一般食品に異動。生鮮以外は全部網羅する部署。日配も雑貨もコメも管轄です。
だいたい毎年夜中の1時ぐらいに控え室で横になって、一時間半ぐらい寝た後に、また現場に戻ると、目を真っ赤にした製麺所の女性営業が配達に来る。年越しそばは品ぞろえ必須ですからね。製造を応援しながらの各店配送で、こちらも徹夜のよう。日が昇っても、あちこちの店から追加注文が来るので、まだまだ仕事。事故らないでね。その後はパン屋さんが納品に。年末はパンなんか売れないと思うでしょ? ところがさにあらず。売れるんですよパン。餅だけじゃ飽きる、って皆分かってるんです。結構大量で、担当者だけじゃ間に合わないので、陳列を手伝ったりして。その内日配品が到着。こちらも急がないと開店に間に合わない。遅れているところに回って陳列。最後に別のパン屋さんがのし餅を持ってくる。のし餅って、今売ってますかね。30センチ×40センチぐらいの座布団の薄い感じの見た目。出来たてで、温かくて柔らかい。まさに餅。こののし餅は、時間が経つとどんどん硬くなる。最後はガチガチに。本来は先に納品になったガチガチが上に並ぶべきだけど、この商品だけ先入れ先出しの原則の例外。後から納品になった柔らかいものをどんどん上にのせて販売。硬いとお客さんは興味を示さないので、売れるものを上にするんです。眺めていると、餅を見たほとんどのお客さんが、指で押して柔らかいかどうかを確かめてる。柔らかいうちは、バカみたいに売れるんですよ。話を戻して、開店直前には、来年用に売場の写真を撮ります。次の年末商戦の参考にするんですね。後は売れるのを待つだけ。目玉品の補充で地獄のように忙しいんですけどね。
午後になって売れ行き不振の商品は、値下げや見切りに入る。当時の初売りは1月3日。和日配の水物や洋菓子、パンなどは残れば廃棄。上段の棚から、空いた下段のスペースに下げて値引きシールを貼って処分。30円引きで売れるのと廃棄するのとでは、天と地の差ですから。時間があれば空いた棚、雑巾で掃除もします。閉店が近づくと、搬入口等を掃除して、バックヤードの在庫、特に特売品の残数は記録して次回の発注に役立てる。閉店後は店長が軽く挨拶して、帰宅。とにかく風呂に入りたい。もうレコ大とか番組が始まってますけどね。でもこれから何時間か車を運転して実家に帰る社員もいる。家が近くて本当にありがたかったですね。
すみません。調子に乗って長文になりました。とにかく小売りの、それも食品扱いは年末大変だった、という話でした。もう数十年前の話で、今はだいぶ変わってると思いますが。
それでは卸売場へと行きましょうか。ありゃりゃ、売場外のホームが大変なことになってます。大荒れの天気で入荷が少ないかも、と思って、昨日のうちに写真を撮っていたんですが、必要なかったですね。

ナメタガレイの山。ナメタウォールです。北海道はえりも産との表記が。そしてその先には…。

北海道産のスケシラコのビル群です。まだあるよ。

さっきまでのは売場の外だけど、こちらは卸売場。「子持」の印字も見えますね。そしてもいっちょ。

卸売場内のスケシラコウォール。北海道産だけど別ブランド。
ナメタガレイもこれだけ入荷すると、どれが大きくてどれが小さいのか判らない。バンドが切れていたもので、大きそうなサイズを見てみると…。

取り出したはいいけど、軍手がベトベトだよ。ヌメリがすごい。ヌメリがあるのは鮮度のいい証拠とか。ほぼ氷点下の状態だと、一週間ぐらいは平気でもったりもしますね。ま、早めにお召し上がりになるのが一番なんですが。表側も見てみますか。

ヌメリで様子が良く判りません。えりも産ナメタガレイの2尾入り、3.6キロでありました。メス、との表記でしたので、子持ちですね。体長は楽勝で40センチ。煮付けたら絶対に旨いヤツ。ヌメリがたっぷりと付いてますので、調理の際は、排水溝の詰まりにご注意ください。モリ介家では買って帰るのは厳禁となっております。ちなみに相場、今回のシケで、例年に無いほど爆上がりだそう。お客さんからの注文が入っていたので、何とかかき集めたらしい。という事は、あの数量のナメタガレイ、全部売れるんだ。ね、早く買って煮付けておいた方がいい、って前から言ってましたよね。
なんだかんだで写真が多くて、尺は十分だけど、ちょっとばかり珍しい食材が入荷してたので、ご紹介しましょう。最後だし。

さてこれは何でしょうか。ぱっと見はサケの白子。だけど妙に大きい。パーチ(フィルム)に宮崎の文字があってやっと判りましたよ。これはボラの白子です。この箱で5キロ入り。塩焼きや煮つけで旨いらしいけど、圧倒的に人気なのは卵の方。値段も随分と違うようです。昨日の取材で卵のほうの入荷がありましたので、ついでにご紹介。

う~ん、以前に取材した時とは様子が違いますかね。前は黄色くてつるんとしていましたが、今回は皮の血管も目立つ。下ごしらえとして血抜きが必要らしいけど、これだと大変そう。袋が破れれば中身が流れちゃうので、気を遣うらしいですよ。あ!サケ白子もあった。写真を載せますので見てくださいよ。ボラ白子と似てるでしょ?

似てるは似てるけど、ボリューム感が全然違いますかね。例年はこの出荷者さんから大量のイクラが届くんだけど、今年はほとんど見かけていません。白子がたった0.5キロ、って。秋サケの不漁、半端じゃないです。
せっかくの年末ですから、スナップ的に写真を撮ってみましたよ。

養殖タイの山。入荷はまだ序の口。月曜、火曜あたりがピークでしょうか。

商戦と言えばマグロ。輸入のバチマグロですね。産地は色々だけど、メモするの忘れました。モリ介が立ち寄った時間が遅くて、大部分が仲卸さん向けに搬出された後でした。おそらくびっしりと並んだはずです。入荷のピークは月曜日、とのこと。今朝の2倍から3倍のマグロが入って来るようですよ。そして隅にならんていたのは、ブランドマグロ。

宮城県は塩釜産の有名ブランド、「ひがしもの」のメバチマグロです。重量は42キロ。色々な条件をクリアした魚体にだけ与えられるもので、塩釜での水揚げの1割ほどしか、この称号は与えられない、とのこと。せっかくの年末年始、やっぱり旨いものが食べたいですよね。
すみませんね、今朝は長尺になっちゃいました。というのもこのブログ、年内最後なんです。そんな訳で頑張った、ということ。シケで天然ものは少ないでしょうし、出番もマグロと養殖魚と冷凍品の割合が高まるんです。獲れてみないと分からない天然ものに全面的に依存、ってわけにもいきませんよね。卸売場も、品定めよりも、効率的な物流がメインとなりますので、ブログ的にはネタがあまり無い。という訳で、早めに充電期間に入ります。皆様方とはまた、来年1月5日の月曜日にお目にかかります。それまでお風邪などお召しになりませんよう。本年もお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。来年もよろしくお願い申し上げます。