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モリ介です! こんにちは、皆さん。

今日はいきなり本題に。毎日毎日、面白い事ばかりは無いんです。

いや、書こうと思えば書けるんだけど。

ちょっとした時間に、職場の同僚とか、友達とか、近所の人とかとしゃべる、あんな内容だったら、いくらでも。

こんな事に時間をかけるから、ネタが飛んだり、後から校正をする羽目になる。

また、ヤバい流れに。早速内容に行きましょう。

今日のご紹介は、これ。例によって、特に珍しいわけでもないんだけどね。

北海道は室蘭産の生ニシン、5キロ入りです。数えたら、この箱には16尾が入ってました。

うろこがはがれやすい魚なので、慎重に並べ替えて撮りましたよ。

そう言えば、生ニシンって、サバとか、ドンコ、小ダラみたいに、きれいに並んだものは見たことがないな~。

人の手で並べると傷みやすいから、わざとガサガサと箱詰めしてるのかな、と推測。

モリ介は、ニシンが大好き。

骨が細かくて外れやすくて、食べるのがめんどくさい魚ではあるけど、生ニシンの、ふんわりした身も、一夜干しかなんかの、少しかっちりした身も、どちらも好き。

昔は、多分輸入原料だったと思うけど、一夜干しの魚体に、わざわざ数の子を差し込んだ商品があった記憶が。

お客さんは、たしか「子詰めニシン」って呼んでました。

あ~旨そうだ。

焼ニシン食べてて、中から数の子が出てきた日にゃ、小躍りしちゃう。

これから、春先の頃までが、ポピュラーになってくるイメージ。

子持ち、を選別した商品もあったような記憶があるので、そのような箱も今後は見かけることもあるかも。

でも、この箱は無選別。腹から何が出てくるか、お楽しみ、ということ。

じっくりと焼き上げた、生ニシン。初冬の夜長に、ぜひお試しを。

そして、ニシンとくれば、正月の食材として欠かせない、これ。撮影は10月末。

さて、これは何でしょう? 何となくわかりますよね?

そう! 数の子です。詳しく言うと、北海道産の塩カズノコ、5キロペール入り、です。ペールって、プラスチックの容器のことです。

中身はこんな感じ。

折れた物だけを選別した、”折れ子”。「折子」と書くのが普通かな。

一本物もありましたよ。

記事にして初めて気が付いたけど、ビニールがうっとうしい。でもきれいな黄金色。

自家用に、お重詰めや、小鉢に盛り付けるんだったら、折子で十分な感じ。

元旦の駅伝を見ながら、数の子を食べる光景が頭に浮かぶな~。

そうだ! これだけは書かないと。

知ってる人は、常識として捉えてるはずですけど、この食材は、あくまでも、塩数の子。

味付け数の子とは、見た目は似ているけど、全然違います。

塩数の子は、そのまま食べられません。

必ず塩抜きが必要な食材です。

販売しているお店の方によれば、必ず、”塩辛い”というクレームが入るんだとか。

ご存じ無い方には申し訳ないけど、業界関係者に言わせれば、「そんな事も知らないの?」のレベルなんです。

こんにゃくだって、必ず下茹ではするでしょ? 

味付けの玉こんにゃくとは、食べ方が全然違うのは、当たり前ですよね。

この塩数の子、あまりのクレームの多さに、取り扱いをやめたお店もあるそう。

間違いなく、食文化の衰退に繋がる事例ですかね。

業界のPR不足も、原因としてはあるのかも。

こどもの頃、モリ介の家でも、塩数の子を塩抜きして醤油で漬けてた。

おぼろげだけど、塩抜き後、一旦ざるにいれたまま、屋外で凍らせてた記憶があるよ。

そのあと、凍ったまま熱々のつけ汁をぶっかけて、そのまま冷やしていたような。

一度冷凍庫で凍らせるやり方で作ってみたけど、食感が柔らかくて、失敗だった、と、亡くなった祖母から聞いたことがあったな~。

ま、いずれ、塩数の子は食べられるようにするまでが面倒。

伝統食として、ほそぼそと生きながらえる存在になっていくんでしょうか。

お金と時間があったら、ぜひ、モリ介も、塩数の子からの醤油漬け、自分でやってみたいと思います。

いつになるか分からないけど、レポートできる日も来るかな?

タイミングが合えば、味付け数の子の方もお伝えしたいと思います。

今日の記事はここまで。モリ介でした。また明日。