• 岩手県唯一の中央卸売市場水産部から、あれやこれやの情報・話題をお届けします!

こんにちは。モリ介です。気が付けばあっという間に週末。しばらくはお天気も良さそうだし。気持ちのいい一日になりそう。さて、早速お送りしていきましょうか。

現農水大臣のおかげで、内閣支持率も上向き傾向らしいじゃないですか。備蓄米については、これから全国に出回る、ということでとりあえず一段落。その後に控える問題についてどうするかに焦点が当たりそうですね。放出で穴が開いた備蓄米をどうするか、とか、コメ流通の不透明な部分にどうメスを入れるのか、とか、相場の下落傾向の中、農家の手取りをどう担保するのか、など、諸課題が色々。ついにコメ輸入についても言及がなされたようだけど、さて、族議員さんはどのような反応を見せるのか。「聖域化」とか「タブー視」とかの単語が出ていたので、表立っての反論は簡単ではなさそう。

コメ卸売会社の売上とか利益にまで触れた現農水大臣。コメ相場高騰の元凶がまさにここにあるような印象を与えかねないように思うけど、前年比5倍の利益計上、といったところで、その前年がどのような水準にあるか、によって判断しないといけないのでは? 例えば前年が1万円の利益しか出なくて、今年5万円だったら、前年比500%でしょ? 4万円増えただけなのに? テレビの解説者も言っていたけど、単純比較で物事を判断するのは危険だと思いますがいかがでしょう。

モリ介はコメ流通について、何ら知るところではないのでコメントできませんが、何とな~く嫌な予感がするのは、前にも書いたけど、卸売業が単なるコストマシーンである、そんな考え方が世の中に蔓延するのではないかと。当社も中央卸売市場に入場する卸売会社だけど、ただ伝票だけを流して何の労力も無く利益だけが残る、そんなうまい話、あるわけがないし。必死で品物を集めて、必死でお客さんに売り込んで、その間にも品物の保管とか発送とか分荷とか色々あるんですよね。生産者さんが個々にお客さんとやり取りが出来るのか、といったら無理に決まってる。一旦品物を集める仕組みが必要でしょ? 代金の回収も個々にやり取りするの? 生産者さんにとって売掛の回収が早いのが市場の特徴ですしね。

昔の事ですが、政府の諮問機関(だったと思います)に規制改革会議というものがあって、その中の議論から、卸売市場不要論なるものが出てきたことがありました。直接取引を推進することでコストカットを図ろうとするもので、今でも大手量販店さんなどがよく使う手法ではありますね。また、今でも続いているかについては不明ですが、山陰地方の漁連さんと大手量販店さんの、産地市場に水揚げされた魚を全量買い上げる、という直接取引も、話題になりました。当時は、卸売市場という立場上、危機感を感じたのも覚えています。ただ、生鮮水産物という少々特殊な食材、という事もあり、全国的な広がりを見せることはないだろう、とも感じてましたね。飼料とかすり身とか加工用にしか向かない魚、というのも少なからず存在しますし、そのような魚を枠組みから外したとしても、地域ごとに売れない魚はどうしてもあるわけで。未利用魚の有効活用という高い意識は評価できますが、ロスなく全てを店舗で販売するのはやはり無理があるのかと。その点卸売市場は多様な販売チャネルがありますので、必要な所に必要な魚を届けやすくする機能は、評価いただいてもいいのかな、と思います。

すみません、熱くなって色々書いちゃいました。とにかく、近視眼的な発想で物事を見るのではなく、時には角度を変えて眺めてみることも必要だと思いますよ。その中で、不透明な流通の仕組みが変化して、透明性が担保される、誰もが納得できる仕組みが出来上がればいいですね。

さてと週末の卸売場へとまいりましょうか。モリ介が売場に入ると、発泡スチロールを束ねていたバンドや荷物の山をくるんでいたラップが散乱。全体的に荷物は多くないように感じたけど、ゴミを片づけきれない、という事は、すでに相当量の荷物が搬出されていたと推察。モリ介もモタモタしていられないよ。そこに無ければ写真も撮りようがないし。そんな中見つけたのが、すでに仲卸さんが持ち上げて、その魚体を確認中のこのお魚。2月に取り上げた後、5月ぐらいからしばしば入荷があって、再度取材もしてたんだけど、掲載のタイミングが合ってなかったんですよね。

これはカマス。神奈川県産で、5キロ入り。”特大”の箱書きがあって、40センチ越えの大ものでありました。お気づきでしょうが、この特大カマスの上に小魚が2匹。実はこれ、カマスが口にくわえていたイワシなんです。咥えていたのは別のカマスなんですがね。でも、イワシの腹が全然傷んでいないので、はからずもカマスの鮮度が抜群に良いのが証明された形に。ちなみにこのカマスは、標準和名アカカマスといい、別種のミズカマスに対してホンカマスとも呼ばれるんだとか。このことは前に書いたっけ? このぐらいのサイズなら、食べ応えもありそう。モリ介が好きなのはやっぱり塩焼きですかね。独特の風味がある皮の感じもまたいいんですよ。売場で見かけたらぜひお求めになってくださいね。

そして今週最後のネタは、というと、この間とんでもなくデカいサイズを見かけたんだけど、モリ介がモタモタしてる間に売れてどっか行っちゃった。今朝見かけたサイズはそこまで大きくないけど、もうすぐ夏なので、一旦載せておこうかな、のこのお魚。

福島県産のアナゴ。5尾入り、5キロでありました。で、何のアナゴなのか、が難しい。モリ介が大昔に販売してたのが、冷凍商品だったけど、三陸産のイラコアナゴを使った、商品名「焼ハモ」。関西で夏に食するハモとは違って、こちらではアナゴもハモ、と呼ぶんですよね。でも、写真の魚よりは皮の色がもう少し黒かったんですよ、焼ハモは。おそらくクロアナゴかマアナゴのどちらからしいんだけど、調べてみることに。すると、写真のアナゴ、体の横にズラッと並んだ斑点の上に、数は少ないけどポツポツと等間隔の斑点がもう一列。写真でもギリギリ見えますかね。これがあるのがマアナゴで無いのがクロアナゴ、とのこと。旨けりゃどっちでもいいんですけどね。ちなみに、石巻産の開きアナゴも入荷してましたのであわせてご覧ください。こちらにはマアナゴの表示がありましたよ。

皮が見えるようにちょっとめくってみましたよ。4キロ14枚入りの商品でありました。ウナギと並んで、夏のスタミナ食材でもあるアナゴ。本格的に暑くなってからでは食欲が沸かないでしょうから、今のうちにスタミナアップに取り組むのが正解ではないですかね。ちなみにモリ介は、いくら暑くても食欲減退はあり得ません。食後に体が熱くなって後悔することがあっても、事前に控えるなんて考えられない。夏バテする人間がこんな体型なわけないか。何なら鍋料理でも平気だし。夏場にマダラのみぞれ煮なんて、涼しげで良くないスかね。なんなら後からアイスとか喰えば絶対涼しいし。ま、変人の部類に入るんでしょうか、モリ介も。そんな食の変態、モリ介がお送りしてまいりましたブログも今週はここまで。また月曜日にお目にかかります。