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こんにちは。モリ介(仮)です。まずは、熱帯低気圧の豪雨被害。

被災された方々にお見舞い申し上げます。もうどこで何があるかわからない世の中。

どう命を守るかをそれぞれ真剣に考えておかなくてはいけない、と痛感。

もう他人事ではないですよね。明日は我が身ということ。そして、補足説明ですが、

昨日の記事で、ハタハタについて、市場に入りきらないほどの漁獲、みたいな

ことを書いたんだけど、これってもちろん、盛岡市場のことじゃない。

秋田県のどこかの産地市場の話です。場所は忘れたけど、写真で見た記憶が。

盛岡だったら大変なことになるよ。スルメイカや生サンマの大型サイズが

末端100円売りできるんだったら、そのくらい荷物が集まっても大丈夫だけど。

というわけで、昨日書けなかった秋サケについて。

昨日の卸売場。手前の2パレットが丸物(1尾もの)の秋サケ、奥の2パレットが

フィーレ(3枚おろし)です。フィーレとは内臓、頭、カマ、尾びれ、背骨を除いた、

いわゆる半身状のもの。

少し前に、定塩ベニサケのフィーレをご紹介したんだけど、お気づきになりました?

実は載せた写真の魚に背骨が残ってます。本当は、背骨はないはずですよね?

詳しい人に聞いてみると、本来はセンターカットと呼ぶはずが、いつの間にか

フィーレになってきたらしい。でも塩サケ業界に限った話である、とも。

センターカットとは、背骨ごと真っ二つにしたもの。塩ホッケなんかにもあったりする。

写真は秋サケフィーレ。正真正銘、背骨はない。でも、腹骨は残ってる。

秋サケフィーレの中には、「3取り」といって、腹骨まで取り除いたものも

あるらしい。もちろん、手間はかかるし、腹骨の分、重量も軽くなる。

だからその分、キロ単価は少々高くなる、ということ。

今日はまだあるよ。木曜日に入荷した、北海道産の塩秋サケ。

厚みはないけど、小さ目サイズの机ぐらいあろうかという大きな箱。中身は…、

うーん、見事な銀色。新物です。一応オスメス混じりなんだけど、どうやらメスが

ほとんどらしい。やっぱり、メスは卵に体力を奪われるから、オスを選別して

別途高い売れ口を目指すみたい。メスのサケは、漁獲後、卵を取り出され(生筋子へ)

塩をまぶされて、冷凍出荷されるとのこと。この商品は、まぶされた塩が判るけど、

コスト的な観点(塩という経費)や、減塩志向などから、塩の少ない製品も

多くなってきている、とは、担当者の弁。今頃から、10月の中旬もしくは下旬までが、

銀毛と呼ばれる秋サケのシーズン。適度な脂ののりを楽しむなら早いほうがいい。

それ以降は、身の脂も少なくなり、干したり、フィーレあるいは切身、そして

味付けなどの加工品にまわることが多くなるようです。写真のような

丸物の塩秋サケも、贈答用途が多いみたい。昔はモリ介の家でも、

頂いた塩秋サケを母親がさばいていた記憶があるよ。干したサケもあったな~。

今だと頂いてもちょっと持て余す。食べるだけなら大歓迎だけど。それから

塩秋サケについて、少々気になる話も聞いたんだけど、それはまた別の話に。

ちょうど締切時間となりました。また来週にお目にかかります。

モリ介(仮)でした。