• 岩手県唯一の中央卸売市場水産部から、あれやこれやの情報・話題をお届けします!

こんにちは。管理人のモリ介(仮)です。

当社の卸売場では、生鮮カツオのシーズン中は、脂ののりや、色の具合をお客さんに

見てもらえるよう、毎日見本を提示しています。モリ介も、判らないなりに

チェックしてる。そんな中、今シーズン一番の”脂ののり”に出会いましたので

お伝えします。それがこの写真。

宮城は気仙沼産の生カツオです。箱に1本入れの大きめサイズ。皮の上の白い部分が

分厚いでしょ? 何十年も魚を見ているお客さんと当社のベテラン社員が言うのだから

間違いない。「これだったら、ぜひ食べたいね~。」とは、件のベテラン。モリ介(仮)が

言うことはあまりあてにならないけど、これは、間違いない。気仙沼産では、いわゆる

”小ガツオ”と呼ばれるサイズも入荷があったけど、ここまでではないにせよ、脂があった。

戻りガツオ来たね~。カツオのファンはお店に行くべし、行くべし、行くべし。

でも、前の記事でも書いたけど、盛岡周辺の小売店では、生のカツオを刺身用として

売っていないところも多い。加熱用の切身としては置いているみたいだけど。

アニサキスの罹患者がお客さんに出た場合、お店が営業停止になったり、新聞に企業名や

店舗名が載ったりするのを、避けるためなんだろうけど。お店に責任がどのくらいあるのかで

行政の処分は当然違うはずですよね? つまり、お店がどのような対策をしているのか、

ということ。何の対策もしていなければ、処分が下る可能性は高いし、しっかりと対策を

していれば、処分がなされないこともある、そう捉えていいかと思うんだけど。

でも、モリ介(仮)、だいぶ前だけど、こんな話を聞いたことがある。お店の幹部曰く、

「どんな対策をしていいか分からない。だから、売らない、となるんだ。」と。

暗に、処分の基準がわからないようなことを言ってた。う~ん、難しい話だよ。

絶対にアニサキスを避けられる方法は、加熱か冷凍以外には、現実的には無い。

誤解を恐れずに言うと、そもそも、アニサキスは大昔から魚に巣くっている虫なので、

ある日突然、法律の改正によって、食中毒扱いになったことには、もやもや感が

拭えない。消費者軽視でなないか、という指摘には、一言もないんだけど。でも、

水産の小売、流通にいる人間は、絶対こう思っているはず。それからもう一つ、

数年前に業界紙の記者さんから直接聞いた話なので、間違いないけど、

岩手では売らない店もある、と言ったら、「仙台ではそんな店ありませんよ。」

とのこと。行政の対応が違うってこと? ま、権限の所在は所管の自治体なので

ありえなくはない。話が長くなってごめんね。最後にこれだけは、言わせて。

新聞記事のコメントに、「生を食べるからこんなことになる」とか「冷凍品を

食べれば済むのに」みたいなニュアンスに受け取られかねない内容を見ることがある。

識者とか、自治体の人の意見だったみたいだけど。でもこれは勘弁してほしい。

本当にダメな事なら、牛レバーみたいに禁止すればいい事でしょ? せめて、

「用心したい方や、気になる方は解凍ものをお勧めします。」ぐらいにしてよ。

誤解のないように言うけど、これは、誰かの不作為を糾弾するものではありません。

生のカツオの刺身は、立派な食文化です。生も解凍も一緒でしょ?みたいな意見もあるけど、

同じだと思う人はもちろんそれでいい。でも、絶対違う、という人がいることも

認識してほしい、ということ。年明けの豊洲で、億越えの生本マグロが話題になったけど、

それは大間というブランドと、年始という時期と、生の本マグロである、ということで

価値を生んでいるからでしょ? あれに匹敵するぐらい、脂があって旨い冷凍マグロは

いくらでもあるんだから。今日はしつこく書いたなー。というのも、このブログ、

見てくださっている方は、おおよそ20人ぐらいらしい。仮に4ケタだったら、

ここまで書かないよ。一人だけスッキリしちゃって、ホントすみません。

あ、締切時間。それではまた明日~。