• 岩手県唯一の中央卸売市場水産部から、あれやこれやの情報・話題をお届けします!

こんにちは。モリ介です。今朝の卸売場は、魚の種類いろいろ。

秋サケやサンマ、ブリ類、カツオはもちろんだけど、アジやトビウオなどの

夏場の魚にくわえて、ドンコ、真ホッケ、マダラなんかもある。まあ、

旬といっても、年中獲れる魚もあるけど。そんな中、でっかいマダラを発見。

宮古産です。2尾入り8キロなので、1尾4キロほど。実はこれはほんの序の口で

もう少し季節が進めば、もっと大きなサイズが入ってきます。でも値段は

高めみたい。お客さんにも話を聞いたけど、全般に魚価は高い。そのお客さんの

愚痴が止まらないこといったら。ほかのお客さんにも話を聞いた。産地の漁港でも

全体に漁獲量が激減し、必ずあるはずの、ちょっとしたキズ物や、少量しか水揚げされない、

言葉は悪いけど、いわゆるハンパ物なんかが本当に少ないのだとか。規模の大きくない

小売店さんなどは、そういった商材の取り扱いで、地域のお客さんの支持を得ている部分も

大きいらしい。死活問題になりつつあるよ、とは件のお客さん。サンマや秋サケ、スルメイカ

なんかの不漁が脚光を浴びるけど、問題の奥は本当に深い。

そして、卸売場に、普段はあまり見ない、プラスチックのバットが。フタ替わりのバットを

開けてみると、そこには…、

宮古産のアブラボウ、80キロです。発泡スチロールのフタには「沖油目」と書いてある。

アブラボウズというのが、正式名称みたいだけど、岩手では、アブラボウが一般的。

沖アブラメとか沖アイナメとも呼んだりもする。受け売りだけど。担当者によれば

昨日は宮古で20本ほどのアブラボウが水揚げされ、その中で一番大きなものが

この魚らしい。小さいものだと2キロほどの魚もあったようだけど、大きいほど

単価は安くなるんだとか。ん?なんで?答えは、「大きいと取り扱いが大変だから」

ということらしい。産地でも、経費がかかるということで、発泡スチロールには

入れないで、バットで送ってよこしたみたい。もちろん、返却するんだけど。

このアブラボウ、実はあるお店からの注文品。水揚げがあったら取り寄せてほしいとの

依頼があったとのこと。つまり、そのお店のお客さんの中に、アブラボウを

待っている方がいらっしゃる、ということ。お待たせしました。やっとお届けできますよ。

ネットで食べ方を調べたら、脂のしたたるステーキの写真が出てきた。旨そう~。

ちなみに、食用での販売が禁止されている、アブラソコムツなんかとは全く違う。

この魚の脂の成分は、人間の体内では分解ができないらしく、腹痛の原因となる。

もっと言うと、下剤の成分の脂らしい。

もちろん、産地では食用として出荷することもないし、当社でも、万が一入荷しても

卸売することはないので、ご安心ください。話はアブラボウに戻って、

お店で見かけたら、すかさずご購入されることをおすすめします。絶対に旨いはず!

卸売場を一回りして戻ってみると、トラックに積まれたのか、例のアブラボウ80キロは

その姿を消していました。

明日は都合により、当ブログはお休み。また来週の火曜日にお目にかかります。

モリ介(仮)でした。

追記 アイキャッチ画像をマダラからタイトルのアブラボウに変更しました。